学校が始まってすぐテストがあった。
夏休み、体調を良くする事に重点を置いていた為
全く勉強をしていなかった息子。
テストの時間が苦痛だから行きたくないと言った。
名前だけ書いたら?と話すがその場に居続けることが苦痛という。それもそうだな、休む事にした。予備日があるからその日にまとめて受ける、と息子が言った。
テストの2日間休んだ。
そして予備日、登校の準備をしていた。
まだ体力に自信がない為、私が車で学校に送っている。
こんな日に限って主人から仕事が忙しいから早く来て、という連絡がくる。
とりあえず、息子は家においたまま仕事に向かった。
ある程度仕事を片付けてまた、家に帰ると、息子は学校の準備をしていた。ところが、もう行きたくない、と言った。さっきのあの瞬間は行けたけどもう今は無理だ、と。
テストだし、となんとか説得して車に乗せる。
学校が近づく。
息子が、もう無理、もう無理、と泣き出した。
そんな。私も主人に嫌味を言われながらわざわざ仕事を抜けてきたのに、それはないよ、と心で思う。口に出して言ってしまいそうだった。
冷静になるために深呼吸をした。
学校に着いたが、車からは降りない。車のドアを開けて息子を引っ張る。
テストに名前だけでも書いておいでと何度もいうが、無理、できない、と泣く。
テストを受けないということはとんでもなく駄目なことの様に感じていた私。どうしよう。
私はだんだん冷静さを失っていった。
忙しいのに仕事を抜けて、結局、息子は学校に行ってない、こんな事が分かったらまた主人に怒られる…いつもならこんな事で揺らがない私の心も、テストを受けない、という初めての経験がとても重大なミスの様な気がしてパニックになってしまった。
もういい!!勝手にすれば良い!!と、息子を車に押し込みドアを思いっきり閉めた。
そして、自分でテストは受けませんと学校に電話して!、と息子に私のスマホを押し付けた。
いつの間にか私も涙が出ていた。涙が出ていると分かった瞬間、声をあげて泣いていた。
なんで私ばっかりこんなに我慢しなきゃいけないの?なんでお父さんにこんなに怒られなきゃいけないの?なんで誰も私の気持ちをわかってくれないの?
車の中で大きな声で叫びながら泣いていた。
すると、息子が
ごめん、お母さん、ごめん。僕が悪かった。
ちゃんと、学校行くから、ちゃんと行くから、、、もう泣かないでよお母さん。
と大声で泣き出した。
大泣きする息子の声を聞き、我に帰った。
私はなんて事を息子に言ってしまったのだろう。
あー、ごめん、、本当にごめん。
と息子に謝った。
違うんだ、僕なんかが居るからいけないんだ!
と息子が泣きながら叫んだ。
違う、そうじゃないよ、私がテストを受けないという事を受け入れられなかっただけ。
あなたは、悪くない。受けたくない、という自分の大切な気持ちを私にちゃんと伝えただけなんだ。悪いのは私。あなたは何も悪くない。
元気になったら受ければ良いね、と言うと息子は泣きながらうなずいた。
数日後、先生から連絡があった。
息子が登校したらいつでもテストを受けられる様にはしていますが、テストという事が息子にとって不安材料になってませんか?まずは元気に学校に来れる事を目標にして今回のテストはやめませんか?
息子の場合、休み中は勉強をしていなかったしテストを受けても点数は取れない、その時点でテストを受けても受けなくても変わりはないでしょう、後期に向けて心身共に整えていきましょう、
と言ってくださった。
こうして壮絶なテスト期間は終わった。
夏休みの息子が元気だった為、そのままの感じで息子に接してしまっていた。
まだまだ息子が元気になるまでは先が長そうだ。
慌てず息子のペースで。
この一件が私の心を改める良い機会となった。