ゲーム時間をどうするか。
息子は、体調を崩す以前からゲームが好きだった。1人で黙々とするというよりは、友達とワイワイ言いながらオンラインゲームをする事が好きだった。
起立性調節障害を発症する以前は1日約2時間ぐらいのゲーム時間。休みの日は天気が良いと出かけていたが何もなく家に居るとトータルで5〜6時間はゲームの時間になっていた。宿題などのやる事が終わっている事と、10時にはベッドに入る、この事を守るのなら好きな様にして良いと特に規制はしていなかった。
起立性調節障害を発症し、全くゲームができない状態になっていたが夏休み前から少しずつゲームを再開。長い時間画面の前に座ってゲームをしている。部屋にゲーム機器を持っていってしまうと部屋に閉じこもってしまうので、リビングの一画を息子のゲームコーナーにしている。
一応、学校を欠席しても午前中はゲームをしない様にとだけは言っている。午後2時頃からゲーム時間だ。流石に2時頃はまだ友達が下校していないので、オンライン上で繋がった人とゲームをしているらしい。運良くコロナでの学級閉鎖などで同じぐらいの年齢の子がオンラインゲームをしている事がよくありフレンドには困っておらず話しながらゲームができているみたいだ。
そこからだいたい、夜10時ぐらいまでゲームをしている。本当はもう少し早く終わった方が良いとは思うが学校の友達とゲームができる時間が夜8時〜9時ぐらいの間からなのでそこからすぐに辞めるようには言い難い。
最近の息子は、体調は悪いが学校に行かなければ、という気持ちと闘っている様に見える。時々、私にそう話しをしてくれる時もある。少し前までは学校に行きたくない、明日になるのがこわい、そう言っていたので少しだけ上向きだ。
休みの日、友達とオンラインゲームをしているとゲーム中に今から外で遊ぼう、となるらしい。だが、息子は体力的に参加が難しいため息子だけ断る様な状態になっている。本人は何も言わないがとても寂しげに見える。
本当はやりたい事や、やらなければいけない事があるのにできない悔しさやもどかしさを掻き消す為にゲームを没頭する、そんな風に見える。
そうなるとゲーム時間を短くする事は何だか違う様な気がして出来ない。
ゲームを規制したところでYouTube見たりするのだろうからやりたいゲームをやらせておいた方が良いかな、と今の所は思っている。
ゲームやるからには結果を残すんだ!、と言ってレベルアップに頑張っている。今はそれが息子の生きるモチベーションになっているのでやはり、もうしばらくはこのまま様子を見ようと思う。
不登校気味の息子と友達との付き合い方
元々息子は人と関わる事が好きだ。
決してリーダータイプでは無いし、話をする事が得意な訳でも無いが、自分の興味に忠実で、色んなジャンルの子と遊び毎日楽しんでいた。小学校の担任の先生からは、休み時間になると違うクラスの子もよく息子を訪ねてきて常に友人に囲まれてます、と言われていた。私はそんな息子がとても好きだった。勉強が嫌いでも友達を大切にしてもらいたいと思っていた。
小学6年の2月に起立性調節障害を発症し大好きな休み時間を外で遊ぶ事ができなくなったが、誰かは必ず息子の側に居て教室で話し相手をしてくれている様子だった。
体力が持たないので放課後遊ぶことは出来なくなり、帰宅後、友達とオンラインゲームすらできず少しずつ友人との関わりが減っていっている様に見えた。
中学生になり、本格的に症状が悪化。学校へ行けない日が増えた。せっかく新しいクラスにはなったけれど新しい友達はできない。小学校の時からの仲の良い友達が数人同じクラスだったので私から見ればそれが救いだった。当事者の息子はそれどころでは無い様子だった。友達付き合いとかそんなことより体調が悪く学校に行きたくないばかり。どんどん殻に閉じこもっていく感じがした。
そんな息子が心配になり、小学校の時からの友達とは連絡取れてるのか息子に聞くと、うるさいな、大丈夫だから、と言われた。確かに思春期の息子にしてみれば余計なお世話だ。
息子の様子を見ているとLINEでやり取りは時々しているみたいだった。
夏休みに入り、少しずつ心が回復しいつもの息子らしさを取り戻し出してきた。
オンラインゲームを少しずつやりだした。初めは会話なくゲームをしていたが、そのうちに知らない人と会話をしながらゲームをする様になった。その仲間は小学4年生ぐらいの子から社会人まで幅広かった。その数日後、学校の友達ともゲームをする様になった。今から思えば知らない人とオンラインゲームをする事が学校の友達とゲームをする為のリハビリだったのかも知れない。それからは毎日学校の友達とオンラインゲームを楽しめる様になった。
息子には、多分これから長い付き合いになるだろう、と思われる友人が2人いる。
1人の子は、息子を病気扱いせず遊びに誘ってくれる。
1人の子は、息子が病気だと言う事を考え無理のない様に体調を気にしながら付き合ってくれる。
夏休み、息子の心が少しずつ戻ってきたのは彼らが居てくれたおかげだ。この2人にはとても感謝をしている。
夏休みが明けても、以前の様に殻に閉じこもる事なく友人とオンラインゲームができている。
友達付き合いはエネルギーがいる事なのだろう。まだ起立性調節障害の回復の見込みは無いが、体調が回復すればまた、自分で新しいコミュニティを作っていくのだろうと思う。今はまだまだ、充電期間。今、こうして息子を思ってくれる友達を大切にして毎日を楽しんで欲しい。
主人との戦い。
息子と私は話し合いを重ねて関係性がより良くなった感じがした。
それに反して主人とは、息子とも私とも関係性が悪くなっていく。
以前より主人は息子の遅刻や早退に関しては納得がいっておらず単なる私の甘やかしだと思っている。
主人は息子に対して幼い頃から何故か怠癖があると思っている。私から見れば子供とはこんなものでしょう、というところだが許せない様だった。
夏休み中、息子が元気に過ごせていた事もあり、主人からみたら怠癖が出ているから新学期に入っての遅刻早退は許せないそういう事らしかった。
夏休み中の診察で言われた
◦元気そうに見えてもまだ起立性調節障害は治っていない
◦9月10月は体調を崩しやすい為要注意
この2点は知っておいてもらいたかった為しっかり伝えたが主人からしてみると納得がいかない様子。
何を根拠に、とか、本当に治ってないのか?とか、病気だと思い込み過ぎてる、と息子と私を疑うことばかり。
体調は息子本人しかわからない、私たちが病気は治ってる、大丈夫だから、と言える様な簡単なことでは無いと伝えたが全く分かってもらえていない。
学校がはじまって3日目、主人が私に、まだこんな学校生活を続けさせるつもりか?、何故勉強をやらせない?ゲームはできるくせに勉強ができないなんて筋が通らない、とイライラとした口調で言ってきた。
学校行くか行かないかは息子の体調と気持ち次第。息子の場合は心のストレスを抱えて歩けなくなるという症状が出た、せっかく治ってきたのだから今のゆったりとした生活を続けた方が良いと思う。まずこの1年間はしっかり療養して様子を見るべきだ、と伝えた。
しばらくは何も言ってこなかったが、その後、私の行動が気に入らないと息子の病気は私のその行動のせいだと責めて来た。
やはり、私の息子に対する対応に納得がいっていない様だった。
幸い、息子本人に何かを言うことは無いので私が盾になり主人の怒りを私にぶつけてくれればそれで良い、と思ったが…
私の身が持つかな、離婚を考えた方が良いのか…離婚を、すれば息子は悲しむな…
主人との問題。ここについてはまだ、答えが出ていない。
テストを受けないという選択。
学校が始まってすぐテストがあった。
夏休み、体調を良くする事に重点を置いていた為
全く勉強をしていなかった息子。
テストの時間が苦痛だから行きたくないと言った。
名前だけ書いたら?と話すがその場に居続けることが苦痛という。それもそうだな、休む事にした。予備日があるからその日にまとめて受ける、と息子が言った。
テストの2日間休んだ。
そして予備日、登校の準備をしていた。
まだ体力に自信がない為、私が車で学校に送っている。
こんな日に限って主人から仕事が忙しいから早く来て、という連絡がくる。
とりあえず、息子は家においたまま仕事に向かった。
ある程度仕事を片付けてまた、家に帰ると、息子は学校の準備をしていた。ところが、もう行きたくない、と言った。さっきのあの瞬間は行けたけどもう今は無理だ、と。
テストだし、となんとか説得して車に乗せる。
学校が近づく。
息子が、もう無理、もう無理、と泣き出した。
そんな。私も主人に嫌味を言われながらわざわざ仕事を抜けてきたのに、それはないよ、と心で思う。口に出して言ってしまいそうだった。
冷静になるために深呼吸をした。
学校に着いたが、車からは降りない。車のドアを開けて息子を引っ張る。
テストに名前だけでも書いておいでと何度もいうが、無理、できない、と泣く。
テストを受けないということはとんでもなく駄目なことの様に感じていた私。どうしよう。
私はだんだん冷静さを失っていった。
忙しいのに仕事を抜けて、結局、息子は学校に行ってない、こんな事が分かったらまた主人に怒られる…いつもならこんな事で揺らがない私の心も、テストを受けない、という初めての経験がとても重大なミスの様な気がしてパニックになってしまった。
もういい!!勝手にすれば良い!!と、息子を車に押し込みドアを思いっきり閉めた。
そして、自分でテストは受けませんと学校に電話して!、と息子に私のスマホを押し付けた。
いつの間にか私も涙が出ていた。涙が出ていると分かった瞬間、声をあげて泣いていた。
なんで私ばっかりこんなに我慢しなきゃいけないの?なんでお父さんにこんなに怒られなきゃいけないの?なんで誰も私の気持ちをわかってくれないの?
車の中で大きな声で叫びながら泣いていた。
すると、息子が
ごめん、お母さん、ごめん。僕が悪かった。
ちゃんと、学校行くから、ちゃんと行くから、、、もう泣かないでよお母さん。
と大声で泣き出した。
大泣きする息子の声を聞き、我に帰った。
私はなんて事を息子に言ってしまったのだろう。
あー、ごめん、、本当にごめん。
と息子に謝った。
違うんだ、僕なんかが居るからいけないんだ!
と息子が泣きながら叫んだ。
違う、そうじゃないよ、私がテストを受けないという事を受け入れられなかっただけ。
あなたは、悪くない。受けたくない、という自分の大切な気持ちを私にちゃんと伝えただけなんだ。悪いのは私。あなたは何も悪くない。
元気になったら受ければ良いね、と言うと息子は泣きながらうなずいた。
数日後、先生から連絡があった。
息子が登校したらいつでもテストを受けられる様にはしていますが、テストという事が息子にとって不安材料になってませんか?まずは元気に学校に来れる事を目標にして今回のテストはやめませんか?
息子の場合、休み中は勉強をしていなかったしテストを受けても点数は取れない、その時点でテストを受けても受けなくても変わりはないでしょう、後期に向けて心身共に整えていきましょう、
と言ってくださった。
こうして壮絶なテスト期間は終わった。
夏休みの息子が元気だった為、そのままの感じで息子に接してしまっていた。
まだまだ息子が元気になるまでは先が長そうだ。
慌てず息子のペースで。
この一件が私の心を改める良い機会となった。
ついに、夏休みが明けてしまう。
夏休みが終盤に差し掛かる。
日に日に、息子のテンションが下がっていく。
言葉にこそしないが元気が無くなっていくのは目に見えてわかった。
夏休み最終日、担任の先生が連絡をくださった。
少しだけ宿題に取り組めた事、
足はすっかり治って歩ける事、
休み中は元気だった事、
を伝えた。
病院での診察の内容も伝えた。
9月10月は、残暑と気候の変化で体調を崩しやすい為、無理はさせないようにと言われている事を話した。
息子も、わたしも、体調が上向きで少しずつみんなと同じ様に活動ができると思っていたので、万が一の事に備えて、主治医の話を伝えたというかんじだった。
夏休みが明けた。
初日、早く起きないと体が動かないから朝5時に起こして、と言われ5時に一緒に起きた。
しばらくぼんやりしてから、目を覚ますために、と、Fortniteをはじめた。
なんか、調子良いかも…と2時間目から登校できた。
帰ってきてからも元気だった。
夏休み前は学校へ行くと帰宅してからは動けずしばらくぐったりしていたから。
2日目、同じく朝5時に起きた。
Fortniteをして、学校に行き元気に帰ってきた。
よしよし、調子良いぞ!
息子にプレッシャーはかけられないので、そっとニンマリした。
カウンセリング2回目
2回目のカウンセリングの日。
夏休み中に受けた。
息子は、せっかくの自由な時間を病院に割かれるのが嫌だ、とこの日は病院に行きたがらず無言になる。
前回は、また受けたい、と言っていたカウンセリングだが今日は行きたくない、と言ってかなり不機嫌だった。
受診して薬を貰わないといけないから取り敢えず病院行こう、となんとか出てきてくれた。
今回は初めにカウンセリングだった。待合室で待っているとカウンセリングの先生が呼びに来てくれた。
こっそりカウンセリングを受けたくないと言っていてすごく不機嫌であることを伝えた。
主治医と相談してきます、とスッと聞きに行ってくれた。戻ってくると、5分だけで良いから話を聞かせてくれる?と優しく息子に言って連れて行ってくれた。
その間、私は、主治医と話をした。
先生に今日のカウンセリングに行きたがらなかったことを話すと、思春期なのでそういうこともあるでしょう、でも受けた方が良いと思うしカウンセリングの先生もプロなので大丈夫ですよ、と想定内と言う感じだった。
次に、息子の近況を聞かれる。
すごく体調が良く見える事、足取りがしっかりしてきている、よく笑って元気を取り戻した様に見える、と話した。
ところが先生からは、夏休みは自分の時間で生活ができるし、クーラーの効いた中で過ごせるため快適に過ごせます。元気に見えても治っているわけではありません。
9月、10月は、残暑や気候の変化でどの小児科の病気も同じですが体調が崩れやすいです。
絶対に無理をさせないで下さい、と言われた。
今回主治医が変わり、また違う見解が聞けると思い息子の病状について改めて聞いた。
先生の話では、息子の場合は起立性調節障害の検査値としてはそこまで悪い訳では無い。その為、メトリジンを服用しても薬の効果は感じにくい。それでも血圧が下がる症状や脈拍が早くなる症状がある為メトリジンを服用し血圧を安定させる必要はある。
今後、重視すべきところは心の治療。足の状態が良くなったことは大きな進歩。今後、心がもっと落ち着いてくれば息子の起立性調節障害についても改善してくる可能性が高い、とのことだった。
この場合、数値化できる様な基準値が無いのであくまでも推測でしかないが、カウンセリングを数回受ける事で改善していくことが多い、と言われた。
先生が変わった事により、説明の仕方が変わり、より良く息子の状態を理解できた。
主治医がら変わる事に不安はあったがこれはこれで運が良かったな、と思った。
…とは言っても夏休みになり、足はしっかりと歩けるようになり、毎日こんなに元気なのに治っていないなんて…まさか…という気持ちだった。
夏休み明けはみんなと一緒に登校できると私は思っていた。
初めてのカウンセリング
初めてのカウンセリングの日が来た。
息子はなんとなくカウンセリングを受ける事が面倒に思っている様だった。
まず、診察を受けてからカウンセリング。
今回から主治医は若い男の先生に変わった。
この1ヶ月の経過や息子の話をする。
息子は昔から、少しお兄さん、みたいな人が好きだ。少し話をした感じで何となく新しい先生と息子との波長が合いそうな気がした。
先生が、今日からカウンセリングなのでこれから受けてもらいます、と言うと、
息子が、えーーっ、と言った。
前の主治医は、その時の気分でキャンセルしても良いと言っていたので私もそのつもりでいた。
ところが、その先生は、何でも初めての事は抵抗があると思うけど経験しないと実際にはどうなのか分からない、今日はお試して受けてみてそれから今後の事は考えよう、と、そっと背中を押してくれた。
私に対しても先生から、カウンセリングは5回ぐらいと考えています。今までの経験上かなり効果があると思いますので、と説明を受けた。
息子は黙って頷いて、カウンセリングルームに行った。
カウンセリングはカウンセリング専門の若い女性の先生。
初回は私も同伴だった。
これまでの経緯、息子の性格、息子の好きなこと、親が子育てとして大切にしてきた事、父親の性格、などなど色々と話を聞いてもらった。
やはり、話を聞き出すプロ。明るく、優しく、丁寧に話を聞いてくださった。
初めは、モゾモゾとしていた息子だったが少しずつ話をしだし、終了の間際には、明日友達と遊びに行く約束をしている事やどんな遊びをするつもりなのか、自分から色々と話していた。
次回の予約をしその日の診察は終わった。
家に帰る途中息子に、カウンセリングはこれからも受けれそう?と確認した。
息子は、カウンセリングはこれからも受けたい、と言った。
受けたい、と言う前向きな言葉に嬉しくなった。
少しずつ良くなっていくかな。